集客と運営
出張買取は、店頭買取より儲かるのか。費用・信頼・法律の3つで比べる。
出張買取と店頭買取。どちらで始めるかは、開業を考える人が最初に迷うところです。
買取業界の専門家・安場さんは、買取の方法で儲かるか儲からないかが決まることはない、と話しています。
では何が違うのか。費用、信頼、訪問ならではの利点、そして法律の4つに分けて整理します。
安場 達也古物査定の窓口 代表
買取業界歴15年以上。査定の現場から店舗の管理者、そして経営者まで、同じ道を順番に通ってきました。
北海道から沖縄まで、開業と店舗運営の支援実績があります。
大阪府公安委員会 古物商許可 第62229R076686号
公開 2026年10月5日
更新 2026年10月8日

佐藤さん(開業を検討中)出張買取と店頭買取は、どっちが儲かるんですか?
先に結論安場さん
- 出張買取が店頭買取より儲かる、とは言えません。
儲かるかどうかは、買取の方法では決まりません(安場さんの回答)。
違いは、初期費用と信頼に出ます
- 出張買取は店を構えないため、敷金・保証金や内外装費用がかかりません
- お客様の信頼は店頭買取のほうが高い。
出張買取には課題もあります
- 出張買取は特定商取引法の訪問購入にあたり、勧誘の仕方に決まりがあります。
お客様は法律で決められた書面を受け取った日から8日間、クーリングオフができます(一部の品物は対象外)
買取業界専門家・安場さんの回答
安場さんの答えは、買取の方法で儲かるかどうかは決まらない、です。
「出張買取は、店頭買取より儲かりますか」。
この問いに、買取業界の専門家である安場さんが答えました。
買取業界専門家・安場さんの回答
出張買取は、店頭買取より儲かりますか。
買取の方法で儲かる・儲からないが決まることはない、と思ってくれればいいです。
ただ、出張買取は店を構えずに済むので、敷金・保証金などの初期費用や、内外装費用なしでできます。
ただし、店頭買取のほうが、お客様の信頼は高いです。
出張買取は、いろいろな問題を抱えています。
とはいえ、出張買取のメリットもあります。
お客様のご自宅に訪問するので、会話の中で、使っていない品物をいろいろお譲りいただくケースが多いです。
ただ、ここは法律の観点があります。
依頼された品以外への誘導など、不招請勧誘にあたるものもあります。
法律違反をすると、古物商許可の取り消しなど、いろいろなデメリットがあります。
研修を受けなくてもできます。
ただ、古物営業法やほかの法令・事例をしっかり把握しておくことをお勧めします。
その意味で、研修を受けたほうがいいです。
回答の中身を、表にまとめます。
以下は、この回答を順に開いていきます。
| 店頭買取 | 出張買取 |
| 初期費用 | 敷金・保証金と内外装の費用がかかる | 敷金・保証金と内外装の費用がかからない |
| お客様の信頼 | 高い | 店頭より低く、いろいろな問題を抱えている |
| この形ならではの利点 | 店があること自体が安心感になる | 会話の中で、使っていない品物をお譲りいただくことが多い |
| 法律 | 古物営業法 | 古物営業法に加えて、特定商取引法の訪問購入の決まり |
費用の違い。店を構えるか、構えないか
費用の違いは、出張買取なら敷金・保証金などの初期費用と内外装の費用がかからないことです。
安場さんが最初に挙げたのも、費用です。
店頭買取
店舗を借りて構える形です。
敷金・保証金などの初期費用と、内外装の費用がかかります。
出張買取
お客様のご自宅に伺う形です。
店を構えないので、敷金・保証金などの初期費用と内外装費用はかかりません。
開業の最初にかかるお金が軽い。
これが、出張買取の一番分かりやすい違いです。
ただし、これは最初にかかるお金の話です。
儲かるかどうかは、買取の方法ではなく別のところで決まる、というのが安場さんの考えです。
開業資金の内訳は、買取店の開業資金で整理しています。
利益の出方は、買取店は儲かるのかをご覧ください。
信頼の違い。店頭のほうが高い
お客様の信頼は、店頭買取のほうが高いと安場さんは話しています。
出張買取は、いろいろな問題を抱えている、とも話しています。
出張買取では、お客様が自宅に事業者を迎えます。
その分、名乗り方や書面の渡し方、勧誘の仕方が、そのまま信頼に響きます。
この点は、次の法律の項目で具体的に見ていきます。

ご自宅に上がるときは、清潔感を意識する
安場さんは、出張買取でご自宅に上がるときは、靴、靴下、服装の清潔感を意識することが大事だと話しています。
出張買取は、お客様のご自宅で品物を拝見します。
訪問ならではの利点
訪問ならではの利点は、会話の中で、使っていない品物をお譲りいただくことが多い点です。
一方で、出張買取には店頭にはない利点があります。
安場さんは、こう話しています。

会話の中で、使っていない品物をお譲りいただくことが多い
お客様のご自宅に訪問するので、会話の中で、使っていない品物をいろいろお譲りいただくケースが多い、とのことです。
ただ、ここには法律の観点があります。
次の項目で、消費者庁が公開している内容をもとに整理します。
法律の注意点。訪問購入の決まり
出張買取は特定商取引法の訪問購入にあたり、名乗り、飛び込み勧誘の禁止(依頼された品以外の勧誘も含む)、再勧誘の禁止、書面の交付とクーリングオフ、うそや威迫の禁止など、主な決まりを守ります。
お客様の自宅などに伺って物品を買い取る取引は、特定商取引法で訪問購入と呼ばれます。
消費者庁の特定商取引法ガイドに載っている、守るべき点を並べます。
クーリングオフと転売の扱いは、出張買取のクーリングオフで詳しく書いているので、ここでは勧誘の決まりを中心に見ます。
-
勧誘の要請をしていない人への勧誘は、禁止
勧誘の要請をしていない人に対して、自宅などで売買契約の勧誘をすること、勧誘を受ける意思があるかを確認することは禁止されています(不招請勧誘の禁止)。
いわゆる飛び込み勧誘ができない、ということです。
-
依頼された品以外の勧誘も、対象になる
消費者庁の解説では、ある特定の物品について依頼を受けて訪問した場合でも、訪問した際にほかの物品についての勧誘や、勧誘を受ける意思の有無の確認をすることは禁止されるとされています。
解説では、食器の依頼で訪問して、いらない指輪もあれば売ってほしいと持ちかける例が挙げられています。
なお、査定だけを依頼された場合や、一般的な問い合わせは、勧誘の要請にはあたらないとされています。
-
玄関で、名乗って目的を告げる
勧誘に先立って、事業者の氏名または名称、売買契約の勧誘をする目的であること、買い取ろうとする物品の種類を告げる決まりです。
解説では、住居の場合は基本的に、インターホンで開口一番に告げるとされています。
名称は登記上のものが必要で、通称だけでは足りないとされています。
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断られたら、再勧誘はしない
契約しない意思を示された場合、その訪問のうちにそのまま勧誘を続けることも、あとで改めて訪問して勧誘することも禁止されます。
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書面を交付し、クーリングオフと引渡しの拒絶を伝える
契約の内容を記載した書面を交付します。
書面を受け取った日から8日間は、お客様はクーリングオフができます。
その期間は、物品の引渡しを拒むこともできます。
事業者には、物品を直接受け取るときに、引渡しを拒める旨を告げる決まりがあります。
威迫して困惑させる行為、事実を告げない行為も禁止
勧誘のときに、うそを告げること、故意に事実を告げないこと、相手を威迫して困惑させることは禁止されています。
消費者庁の事例ページには、着物の買取で伺った先で、貴金属の買取を執拗に求められたという相談が載っています。
つまり、訪問先で会話が弾んでも、事業者のほうから、ほかの品物を売ってほしいと持ちかけることは、決まりに触れるおそれがあります。
安場さんが不招請勧誘に触れたのも、この点です。
違反したときに、何が起きるか
特定商取引法の訪問購入の規定に違反した場合、主務大臣による指示や業務停止命令などの対象になります。
古物営業法の側では、公安委員会が、指示、営業停止命令、許可の取消しを行う仕組みがあります。
警察庁が公開している基準では、古物営業に関して行われた古物営業法以外の法令違反も、対象となる法令違反行為に含まれています。
安場さんが話した、古物商許可の取り消しなどのデメリットは、この仕組みにあたります。
どの違反がどの処分になるかは、違反の内容や回数で変わります。
個別の判断は、警察署や専門家に確認してください。
古物商が訪問先で買い取るときの届出(行商)は、古物商の行商とはで整理しています。
開業の形を選ぶ順番
店頭か出張かは、最初にかけるお金、信頼の作り方、法令の3つの順で決めます。
-
最初にかけるお金を決める
店を構えるなら、敷金・保証金と内外装の費用がかかります。
構えないなら、かかりません。
手元の資金から、どちらが合うかを先に決めます。
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信頼をどう作るかを決める
店頭は、店があること自体が信頼になります。
出張は、名乗り方・書面・勧誘の仕方で信頼を作ります。
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法令を先に知る
訪問購入は、勧誘の仕方に決まりがあります。
始める前に、古物営業法と特定商取引法を押さえておきます。
未経験の人が最初に始めるなら、安場さんは、やりやすさでは催事買取、その次が出張買取だと話しています。
ただし出張買取は、お客様のハードルが高く、いろいろなトラブルもあるといいます。
費用に余裕がある方には、店があるとお客様に安心感がある店頭買取を勧めています。
どちらを選んでも、最後に利益を決めるのは、査定の力と売り先です。
買取の方法そのものでは決まらない、というのが安場さんの考えです。
古物査定の窓口について
出張でも店頭でも、法令と査定を先に身につける
安場さんは、研修を受けなくてもできるが、古物営業法やほかの法令・事例をしっかり把握しておくために、研修を受けたほうがいいと話しています。
古物査定の窓口は、フランチャイズに加盟せずに買取店を始めるための研修です。
5日間の対面で、本物と偽物の見分け方、査定、集客、売り先の作り方をお伝えします。
加盟金もロイヤリティもありません。
開業サポートの中身を見る
5日間の研修で、法令と査定を
よくある質問
- 出張買取は、店頭買取より儲かりますか。
- 買取業界専門家の安場さんは、買取の方法で儲かる・儲からないが決まることはないと話しています。
出張買取は店を構えずに済むため、敷金・保証金などの初期費用や内外装費用はかかりませんが、店頭買取のほうがお客様の信頼は高いとも話しています。
- 出張買取は、どんな費用がかからないのですか。
- 店を構えないため、敷金・保証金などの初期費用と、内外装の費用がかかりません。
安場さんの回答にもとづきます。
開業資金の内訳は、買取店の開業資金の記事で整理しています。
- 出張買取のメリットは何ですか。
- お客様のご自宅に訪問するため、会話の中で、使っていない品物をお譲りいただくケースが多いことです。
ただし、事業者のほうから依頼された品以外の勧誘をすることは、特定商取引法で禁止される場合があります。
- 依頼された品以外の買取を、訪問先で持ちかけてもいいですか。
- 消費者庁の解説では、特定の物品について依頼を受けて訪問した場合でも、訪問した際にその他の物品について勧誘すること、または勧誘を受ける意思の有無を確認することは禁止されるとされています。
不招請勧誘の禁止にあたります。
- 出張買取で法律に違反すると、どうなりますか。
- 特定商取引法の訪問購入の規定に違反すると、主務大臣による指示や業務停止命令などの対象になります。
古物営業法の側でも、公安委員会が指示、営業停止命令、許可の取消しを行う仕組みがあります。
どの違反がどの処分になるかは内容や回数で変わるため、警察署や専門家に確認してください。
- 出張買取を始めるのに、研修は必要ですか。
- 研修を受けなくてもできます。
ただ安場さんは、古物営業法やほかの法令・事例をしっかり把握しておくことをお勧めしており、その意味で研修を受けたほうがいいと話しています。
※ 出張買取と店頭買取の考え方は、買取業界専門家・安場さん(古物査定の窓口)の回答(2026年10月5日)にもとづきます。
※ 訪問購入の規制は、消費者庁「特定商取引法ガイド」の訪問購入のページ(https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/doortodoorpurchases/)、同ガイドの事例ページ、および同ガイドの特定商取引法の逐条解説(訪問購入の章)をもとに、2026年10月5日に確認しました。
※ 古物営業法の処分は、警察庁「古物営業法に基づく指示、営業停止命令及び許可の取消しの基準」をもとに、2026年10月5日に確認しました。法令は改正される場合があります。個別の判断は、消費者庁、警察署、専門家にご確認ください。