お金と契約
買取店の開業資金。忘れられがちな、2つのお金。
物件、内装、什器、広告。ここまでは誰でも計算します。ところが買取店で足りなくなるのは、たいていそのあとに要るお金です。内訳を並べたうえで、見落とされやすい2つを最後に置きました。
安場 達也古物査定の窓口 代表
買取業界歴15年以上。査定の現場から店舗の管理者、そして経営者まで、同じ道を順番に通ってきました。
北海道から沖縄まで、開業と店舗運営の支援実績があります。
大阪府公安委員会 古物商許可 第62229R076686号
公開 2026年8月14日
更新 2026年10月8日

佐藤さん(開業を検討中)買取店を開くのに、お金はどれくらい用意すればいいですか?
先に結論安場さん
- 買取店を店舗で開く開業資金は、仕入れ資金と運転資金まで含めて約1,000〜1,500万円が目安です(当社の見立て)
- 内訳は、物件・内装・什器・広告などの開業費用約280〜740万円+仕入れ資金(買い取るための現金と在庫)約240〜280万円+運転資金(家賃・人件費・広告費など毎月の費用の6か月ぶん)約480万円です
- フランチャイズに加盟すると、本部への支払いが約120〜550万円上乗せされ、総額は約1,100〜2,050万円が目安です(当社の見立て)
- 自宅や出張買取で始めれば店の費用は小さくなりますが、買い取るための現金と在庫のお金は別に要ります
- 見落とされるのは仕入れ資金と運転資金。
この2つで詰まります
- 買取店は買った瞬間に現金が出ていく商売です。
ここが飲食や小売と違います
開業費用の内訳
物件・内装・什器・看板・広告・許可にかかる開業費用は、30平米ほどの路面店で約280〜740万円です。
30平米ほどの路面店を想定した、一般的な内訳です。
立地と居抜きかどうかで大きく動くので、幅で見てください。
物件取得費保証金・礼金・仲介手数料・前家賃
100〜150万円
内装・工事居抜きなら大きく下がります
100〜280万円
什器・備品カウンター、金庫、ルーペ、比重計、PC
30〜100万円
看板・サイン視認性が集客に直結します
30〜80万円
広告・販促開業時の折込チラシ、地図検索の整備、名刺。
毎月の広告費は運転資金に含めています
20〜100万円
許可・登記など古物商許可19,000円ほか
3〜30万円
ここまでの小計この下に、まだ2つあります
約280〜740万円
ここまでは、どの開業支援の資料にも載っています。
問題は、この表で計算を終わらせてしまうことです。
忘れられがちな2つのお金
忘れられがちなのは、仕入れ資金(約240〜280万円)と運転資金(6か月ぶんで約480万円)の2つです。
どちらも当社の見立てによる見積りです。
買取店が、ほかの商売と違うところ
1 仕入れ資金
買取店は、お客様が品物を持ってきた瞬間に現金を渡します。
飲食店なら仕入れは掛けで、売上は日銭で入ります。
買取店は逆です。
先に出て、あとから戻ってくる。
買った品物が現金に戻るまで、市場に出して落札されて入金されるまで、
早くても数週間かかります。
その間、次のお客様が来ても手元に現金がなければ買えません。
いくら要るかは扱う品目によりますが、当社の見立てでは、買い取るための現金と、売れるまで持つ在庫を合わせて約240〜280万円を見込んでください。
金やブランド品を多く扱うなら、それ以上あったほうが動けます。
2 運転資金
家賃、人件費、水道光熱費、通信費。
開けた瞬間から毎月出ていきます。
買取店は開店から数か月、来店が読めません。
折込チラシの反応が出るまで時間がかかります。
最低6か月ぶんを別に持っておいてください。
小さなテナントの毎月の費用を約80万円(家賃15万円・人件費35万円・広告費20万円・その他10万円。買取店は儲かるのかの記事の置き方)とすると、6か月で約480万円です。
ここが薄いと、伸びる前に資金が尽きます。

この2つを足すと、総額が変わります。
仕入れ資金約240〜280万円、運転資金6か月ぶんで約480万円。
合わせて約720〜760万円が、先ほどの表の小計(約280〜740万円)の下に乗ります。
つまり店舗で開く総額は約1,000〜1,500万円が目安です(当社の見立て)。
買い取った品物。
開業資金の多くは、こうして在庫に形を変えます。
加盟する場合としない場合
フランチャイズに加盟すると、上の費用に本部への支払いが加わり、総額は約1,100〜2,050万円が目安です(当社の見立て)。
本部の指定で内装や物件の費用が上がれば、総額はさらに増えます。
本部への初期費用は、当社調べで約120〜450万円、別途の保証金などがかかると高いところで550万円ほどです。
研修費・鑑定ツール・保証金など、加盟金以外の名目も含みます(加盟金以外にかかるお金)。
加盟しなければ、本部への初期費用とロイヤリティはかかりません。
| | 加盟しない | 加盟する |
| 本部への初期費用 | 0円 | 約120〜550万円 |
| 毎月のロイヤリティ | 0円 | 月15〜40万円(当社調べ) |
開業の総額 仕入れ資金・運転資金を含む | 約1,000〜1,500万円 | 約1,100〜2,050万円 |
| 屋号・立地 | 自分で決める | 本部の指定に従う |
| やめるとき | 制約なし | 中途解約金・競業避止 |
差は初期費用だけではありません。
ロイヤリティは売上に関係なく毎月出ていきます。
月20万円なら、3年で720万円。
看板と仕組みを借りる料金として、それが見合うかどうかです。
小さく始めるという選択
自宅、小さな事務所、出張買取から始めれば、物件費と内装費が減り、開業資金は大きく下がります。
| 自宅を営業所にする | 物件費と内装費がほぼ不要。 持ち家なら承諾書も要りません。 ただしふらっと立ち寄る方は来ません |
| 小さな事務所 | 家賃を抑えつつ、看板は出せます。 予約制と出張買取が中心になります |
| 出張買取から | 店を持たずに始める形。 移動時間がかかる代わりに、固定費がほぼゼロです |
ただし、下がるのは店の費用だけです。
買い取るための現金と、売れるまで持つ在庫のお金は、どの形でも別に要ります。
小さく始めれば、浮いたぶんを仕入れ資金に回せます。
買取店は、店の広さより手元の現金が動きを決める商売です。
最初は小さく開いて、回り始めてから広げる。
この順番のほうが、資金が続きます。
創業融資について
日本政策金融公庫の創業融資は、買取業でも利用されています。
申し込むなら、自己資金・事業計画・古物商許可の3つを用意してください。
| 自己資金 | 総額の2〜3割は用意しておくほうが通りやすくなります |
| 事業計画 | 来店数と粗利の根拠。 商圏の人口と競合を調べた形跡があるかを見られます |
| 古物商許可 | 取得済み、または申請中であること。 ここが抜けていると話が進みません |
買取業は在庫を持つ商売なので、仕入れ資金を運転資金として申請するのが基本です。
「開業費用だけ」で申し込むと、開けたあとに動けなくなります。
古物査定の窓口について
いくら必要かは、開き方で決まります。
同じ買取店でも、路面店と自宅開業では総額が倍以上違います。
どこで、どのくらいの規模で開くのか。
それが決まらないと、資金の話は前に進みません。
ひとりで組む場合
物件も内装も什器も、相場が分からないまま見積もりを受け取ることになります
研修を受ける場合
どこにいくらかけ、どこを削るか。
仕入れ資金の置き方まで含めて、開ける前に決めます
開業サポートの中身を見る
加盟金もロイヤリティもありません。
5日間の研修と、その中身
よくある質問
- 買取店の開業資金はいくら必要ですか。
- 店舗で開く場合、仕入れ資金と6か月ぶんの運転資金まで含めて、約1,000〜1,500万円が目安です(当社の見立て)。
物件・内装・什器・広告などの開業費用は約280〜740万円で、これだけで計算を終えると、仕入れ資金(買い取るための現金と在庫)約240〜280万円と、運転資金(家賃・人件費・広告費など毎月の費用の6か月ぶん)約480万円が抜け落ちます。
- フランチャイズに加盟すると、いくら増えますか。
- 本部への初期費用が約120〜550万円加わり、仕入れ資金と運転資金を含めた開業総額は約1,100〜2,050万円が目安です(当社の見立て)。
本部の指定で内装や物件の費用が上がれば、さらに増えます。
さらに毎月のロイヤリティなどが月15〜40万円(当社調べ)かかります。
- 仕入れ資金はいくら用意すればいいですか。
- 扱う品目によりますが、当社の見立てでは、買い取るための現金と在庫を合わせて約240〜280万円を見込んでください。
買取店は買った瞬間に現金が出ていき、売れて入金されるまで数週間かかります。
手元に現金がないと、お客様が来ても買えません。
- 自宅で買取店を開業できますか。
- できます。
古物商許可の営業所を自宅にすることは可能で、物件費と内装費がほぼ不要になります。
ただし、買い取るための現金と在庫のお金は別に要ります。
また、ふらっと立ち寄るお客様は来ないため、出張買取や予約制が中心になります。
- 創業融資は使えますか。
- 日本政策金融公庫の創業融資は買取業でも利用されています。
自己資金を総額の2〜3割用意し、商圏を調べた事業計画と、古物商許可の取得または申請中であることを揃えてください。
※ 本記事の金額は、2026年8月時点で公開されている各種資料および一般的な相場をもとにした目安です。総額の約1,000〜1,500万円、加盟した場合の約1,100〜2,050万円、仕入れ資金・運転資金の金額は、当社の見立てによる見積りです。本部への初期費用(約120〜550万円)は、当社が買取フランチャイズ各社の費用を調べた結果(約120〜450万円)に、別途の保証金などを足した当社の見立てです。運転資金は当サイトの記事「買取店は儲かるのか」の毎月の費用(約80万円)の6か月ぶんで計算しています。立地、物件の状態、扱う品目によって大きく変わります。実際の計画は個別にご確認ください。