お金と契約
買取店の利益率は何%か。粗利率と件数で、ほぼ決まります。
これから買取店を開く人、他の商売に買取を足したい人に向けて書きました。買取業の利益は買った値段と売れた値段の差です。単純ですが、そのぶんごまかしが効きません。商材ごとの粗利率、上場企業の決算に出ている利益率、月に何件で黒字になるか。そして、売上が出ているのに現金が減る理由を数字で書きました。
安場 達也古物査定の窓口 代表
買取業界歴15年以上。査定の現場から店舗の管理者、そして経営者まで、同じ道を順番に通ってきました。
北海道から沖縄まで、開業と店舗運営の支援実績があります。
大阪府公安委員会 古物商許可 第62229R076686号
公開 2026年9月8日
更新 2026年10月8日

佐藤さん(開業を検討中)買取店って、結局どれくらい儲かるんですか?
先に結論安場さん
- 買取店の利益率は、粗利率で5〜50%(商材による)です。
家賃や人件費を引いた営業利益率は、上場企業の決算で約1.7〜9.8%。
小さな店は経費しだいで赤字にもなります
- 上場しているブランド品の買取販売大手でも、売上総利益率は約21〜25%、営業利益率は約1.7〜4.2%です(各社の決算より)
- この記事の例では、月50件×1件あたり粗利2万円=粗利100万円。
経費80万円(家賃・人件費・広告費など)を引いて20万円が残る計算です
- 売上があるのに現金が減るのは、在庫にお金が変わっているからです
買取店の利益率は何%か
買取店の利益率は、粗利率で5〜50%が目安です。
営業利益率は、上場企業の決算で約1.7〜9.8%です。
「利益率」は2つに分けて考えます。
1つは、売れた値段から買った値段と手数料を引いた粗利率で、扱う商材によって5%から50%まで開きます。
もう1つは、粗利から家賃や人件費を引いた営業利益率です。
公開されている数字として、上場している買取・リユース企業の決算を並べます。
| 会社(決算期) | 主な商売 | 売上総利益率 | 営業利益率 |
コメ兵ホールディングス (2026年3月期) | ブランド品・時計・宝飾品の買取と販売(金地金などの法人向け販売を含む) | 約21.3% | 約4.2% |
バリュエンスホールディングス (2025年8月期) | ブランド品・貴金属などの買取と、業者向けオークションでの販売(売上の4割強)・地金の卸売・小売 | 約25.1% | 約1.7% |
トレジャー・ファクトリー (2026年2月期) | 衣料・家電・家具・雑貨などの総合リユース店 | 約59.1% | 約9.8% |
ここから分かるのは2つです。
ブランド品や貴金属が中心の会社は、粗利率が20%台にとどまります。
衣料や雑貨を店頭で売る会社は粗利率が60%近くありますが、売場と人の経費も大きく、営業利益率は10%前後に収まっています。
小さな店は経費の割合が大きく、経費しだいで赤字にもなります。
1店舗に置き換えると、この記事の前提(月50件×1件あたり粗利2万円=粗利100万円、一例)なら、
月の粗利100万円 − 経費80万円 = 営業利益20万円です。
経費が同じなら、粗利が増えたぶんだけ、そのまま利益に乗ります。
特定の利益率を約束できるものではないので、自分の店の条件に置き換えて計算してください。
利益がどこから出るか
買取店の利益は、売れた値段から買った値段と手数料を引いた差(粗利)から出ます。
一行で表すと、次のとおりです。

売れた値段 − 買った値段 − 手数料 = 粗利
ここに家賃、人件費、広告費を引いたものが営業利益です。
在庫を持つ商売なので、買った時点では利益はまだ確定していません。
製造業や飲食業と違い、原価を自分で下げる工夫はほとんどできません。
原価は自分が言った買値そのものだからです。
だからこの商売は、いくらで買うかを決める力がそのまま利益率になります。
安く買えば粗利は増えますが、お客様は他店と比べて離れます。
高く買えば集まりますが、粗利が消えます。
正しい相場を知っている人だけが、その間の一点を選べます。
相場を知らない人は、安すぎるか高すぎるかのどちらかに寄ります。
商材ごとの粗利率
粗利率の目安は、金・プラチナの地金で5〜15%、ブランドバッグで15〜30%、生活雑貨・家電で30〜50%です。
商材によって粗利率も、換金までの日数も違います。
当社と提携店の実績をもとに、代表的なものを並べます。
商材粗利率換金まで
金・プラチナ(地金)5〜15%数日
宝石つきジュエリー20〜40%2週間〜
ブランドバッグ15〜30%1週間〜1ヶ月
高級時計10〜20%1週間〜1ヶ月
切手・古銭20〜40%2週間〜
生活雑貨・家電30〜50%1ヶ月〜
ここで見てほしいのは、粗利率が高いものほど換金が遅いという関係です。
金は薄いが、速い
相場が公開されているため、誰が買っても値段は近くなります。
粗利率は5〜15%と薄いのですが、数日で現金に戻ります。
同じ100万円を年に何回転できるかで考えると、実は効率が高い商材です。
雑貨は厚いが、遅い
粗利率は30〜50%と大きく見えますが、
1点あたりの金額が小さく、売れるまで数ヶ月かかることもあります。
置き場所と手間が費用として乗ります。
率だけを見て選ぶと、現金が回らなくなります。
粗利率だけでなく、何日で現金に戻るかまで含めて商材を選びます。
ブランド買取の利益率はどれくらいか
粗利率の一例は、バッグで15〜30%、時計で10〜20%です。
数字は当社および提携店の実績をもとにした一例で、地域や仕入れ方、品物の状態で変わります。
計算の例金額備考
売れた値段10万円仮の数字
買った値段8万円仮の数字
粗利2万円粗利率20%
ブランド品は、粗利率は15〜30%と中程度で、そのかわり、売れて現金になるまで1週間から1ヶ月かかります。
もう一つ、見落とされやすいことがあります。
たとえば買値8万円の品が偽物だと、粗利2万円の4件ぶんが消えます。
利益率を守るには、買う前の真贋の判断が欠かせません。
買値は、売れる見込みの値段から逆算して決めます。
粗利率20%を残したいなら売値の約8割、30%なら約7割が買値の上限です。
ただし古物市場で売る場合は手数料が引かれます。
たとえば10万円で落札され、手数料が5%なら手取りは9万5千円。
買値が8万円なら、残る粗利は1万5千円(落札額10万円に対して15%)に下がります。
手数料率や消費税の扱いは市場によって違います。
買値は、落札額ではなく手取りから逆算してください。
買い取った品はどこに売って利益にするか
売り先は、業者向けの市場、地金商、店頭、ネットの4つで、どこに売るかで粗利率と現金化の速さが決まります。
同じ品でも、早く現金にしたいか、時間をかけて小売の値段で売るかで、残る額が変わります。
| 売り先 | 向く商材 | 特徴 |
| 古物市場(業者向けのオークション) | ブランド品・時計・ジュエリー | 相場どおりの値段で早く現金になる。 売ると手数料がかかる |
| 地金商・精錬業者 | 金・プラチナ | 相場に連動して決まる。 数日で現金になるが、粗利は薄い |
| 自分の店頭 | 雑貨・衣料・ブランド品 | 小売の値段で売れて粗利率は高い。 売れるまで在庫を抱え、売場と人が要る |
| ネット販売 | 商材全般 | 小売に近い値段で売れる。 撮影・梱包・発送の手間と販売手数料がかかる |
買取専門店では、買った品を古物市場や地金商に流して、早く現金に戻す形がよく見られます。
店頭で売らないぶん粗利率は低めですが、在庫を長く持たずに済みます。
市場への入り方や手数料は、古物市場の記事にまとめています。
月にいくつ買えば黒字になるか
小さな店なら、1件あたりの粗利2万円で月40件買えば収支がゼロになります。
1店舗を回すのに必要な数字を置きます。
小さなテナントを1人か2人で運営する前提です。
項目月額備考
家賃15万円路面小型
人件費35万円1〜2名
広告費20万円チラシ・地図検索
その他経費10万円光熱・通信
必要な粗利80万円ここで収支ゼロ
1件あたりの粗利を2万円とすると、
月40件でようやく収支がゼロです。
利益を100万円残すなら、月90件という計算になります。
ここで多くの方が気づきます。
件数を2倍にするのは大変ですが、1件あたりの粗利を2倍にするのは、扱える商材を増やすことで起こり得るということです。
自分の店で計算する式例入れる数字
① 月の経費(家賃+人件費+広告費+その他)80万円自分の見積り
② 1件あたりの粗利2万円扱う商材で変わる
③ 収支ゼロの件数(①÷②)40件超えた分が利益

同じ1件でも、金額はまったく違います
来店されたお客様が、金のネックレスだけを出した場合と、
そこにジュエリー、時計、切手まで出した場合。
来店数は同じ1件です。
違うのは、こちらが何を見られるかだけです。
集客を増やす前に、1件から取れる幅を広げるほうが、費用を抑えやすいのです。
売上があるのに現金が減る理由
売上があるのに現金が減るのは、買うために出したお金が、まだ売れていない在庫として棚に残っているからです。
買取業でつまずく人の多くは、赤字ではなく現金切れで止まります。
たとえば月に300万円ぶん買い、そのうち200万円ぶんが売れて260万円になったとします。
帳簿の上では利益が出ています。
しかし現金は300万円出て260万円しか戻っていません。
残りの100万円ぶんは、まだ棚の上にあります。
これが毎月続くと、利益が出ているのに残高だけが減っていきます。
対策は3つです。
- 換金の速い商材を軸にする。
貴金属を柱にすると、現金が戻る周期が短くなります
- 在庫の上限を金額で決める。
棚が埋まる前に、金額で止めます
- 売れない品を持ち続けない。
3ヶ月動かない在庫は、値段を見直す目安です
この3つはどれも、買うときの判断に戻ります。
いくらで買うか、そもそも買うかどうか。
利益率も、現金の回り方も、その一点で決まっています。
よくある質問
- 買取店は儲かりますか?
- 粗利と件数しだいです。
小さな店で月の経費が80万円なら、1件あたりの粗利2万円で月40件が収支ゼロの目安になり、それを超えた分が利益になります。
上場している買取販売の大手でも、直近の営業利益率は約1.7〜4.2%で、赤字の年もあり、何もしなくても儲かる商売ではありません。
いくらで買うかを決める力が、そのまま利益率になります。
- 買取店の利益率はどのくらいのものですか?
- 粗利率は商材によって5%から50%まで開きます。
金やプラチナの地金は5〜15%と薄く、ブランドバッグは15〜30%、生活雑貨や家電は30〜50%が目安です。
上場企業の決算では、ブランド品が中心の会社で売上総利益率が約21〜25%、衣料や雑貨が中心の総合リユースで約59%です。
- ブランド買取業者は、売値の何割引きくらいで買取しているのでしょうか?
- 店や品物によって違いますが、粗利率20%を残すなら売値の約8割、30%なら約7割が買値の上限という計算になります。
古物市場で売る場合は手数料が引かれるため、落札額ではなく手取りから逆算して買値を決めます。
- ブランドバッグなどの買取って、どうやって利益を出しているんですか?
- 売れる見込みの値段より安く買い、古物市場や店頭、ネットで売った差額が利益です。
ブランドバッグの粗利率は15〜30%が一例で、売れて現金になるまで1週間から1ヶ月ほどかかります。
偽物を買ってしまうと、その仕入れ額がまるごと損になるため、買う前の真贋の判断が利益を左右します。
- 買取専門店は、どこに販売して利益を得ているのですか?
- 主な売り先は、古物商の許可を持つ業者だけが参加できる古物市場(業者向けのオークション)、金やプラチナを買い取る地金商・精錬業者、自分の店頭、ネット販売の4つです。
買取専門店では、市場や地金商に流して早く現金に戻し、在庫を長く持たない形がよく見られます。
- 金・プラチナ買取専門店の儲かる仕組みを教えてください。
- 相場で買い、相場に近い値段で地金商や精錬業者に売る、その差額が利益です。
粗利率は5〜15%と薄いものの、数日で現金に戻るため、同じ資金を何度も回せます。
金をきっかけに来店したお客様から、ジュエリーや時計、切手など粗利率の高い品も買えると、1件あたりの粗利が大きくなります。
上場企業の売上総利益率・営業利益率は、各社の決算短信の売上高・売上総利益・営業利益から計算した概数です(コメ兵ホールディングス2026年3月期・2026年5月14日公表、バリュエンスホールディングス2025年8月期・2025年10月9日公表、トレジャー・ファクトリー2026年2月期・2026年4月9日公表。いずれも連結)。商材ごとの粗利率、1件あたりの粗利、経費の内訳は、当社および提携店の実績をもとにした目安です。地域、商圏、扱う商材、集客の方法によって変わります。特定の収益を保証するものではありません。