開業の手続き
古物商に、資格は要りません。必要なのは許可です。
古物商に、資格は要りません。必要なのは、警察署に申請して受ける古物商許可です。試験も学歴も実務経験も不要で、書類を揃えて申請すれば、標準処理期間は約40日(土日祝を除く)です。
安場 達也古物査定の窓口 代表
買取業界歴15年以上。査定の現場から店舗の管理者、そして経営者まで、同じ道を順番に通ってきました。
北海道から沖縄まで、開業と店舗運営の支援実績があります。
大阪府公安委員会 古物商許可 第62229R076686号
公開 2026年8月14日
更新 2026年10月8日

佐藤さん(開業を検討中)古物商って、資格を取らないとできないんですか?
先に結論安場さん
- 古物商に資格は要りません。
必要なのは都道府県の公安委員会が出す「古物商許可」で、申請の窓口は営業所を管轄する警察署です
- 試験はありません。
学歴・実務経験・年齢の下限もありません
- 費用は手数料19,000円。
許可までの標準処理期間は約40日(休日を除く)
- ただし誰でも受けられるわけではありません。
受けられない条件が定められています
古物商許可の取り方。5つの手順
古物商許可は、警察署で相談→書類を集める→申請(手数料19,000円)→審査(土日祝を除いて40日)→許可証の受け取り、の5つの手順で自分で取れます。
個人で営業所が1か所の場合の流れです。
- 警察署の窓口で相談する
営業所にする場所を管轄する警察署(生活安全課など)に行きます。
申請書の様式と、自分の場合に要る書類を教えてもらえます
- 書類を集める
本籍が記載された住民票の写し(マイナンバーなし)、本籍地の市区町村が出す身分証明書、略歴書、誓約書。
賃貸の場合、使用承諾書や営業所の図面(見取図)を求められることがあるので、署に確認してください。
本籍地が遠い場合は、郵送で請求すると時間がかかります
- 申請書を書いて提出する
書類が揃ったら警察署に出します。
手数料は19,000円。
納め方は署の案内に従います。
不許可や取り下げでも返金されません
- 審査を待つ
標準処理期間は約40日(休日を除く日数)。
書類に不備があると延びます。
カレンダー上は2か月近くみておき、許可が下りるまで買取は始められないので、開業日から逆算して先に出します
- 許可証を受け取り、プレートを用意する
許可が下りると警察署から連絡があり、許可証を受け取りに行きます(受け取り方は署の案内に従います)。
営業所に掲げる標識は
古物商プレートの作り方へ。
書類の細かい集め方は
古物商許可の取り方にまとめています
資格と許可は、何が違うのか
資格は試験で能力を証明するもの、許可は条件を満たした人に行政が営業を認めるもので、古物商に要るのは許可です。
資格(存在しません)
試験に合格して、能力があることを証明するもの。
宅建士や簿記のように、勉強して取るもの。
古物商にこれはありません。
許可(これが必要)
本来は禁止されている行為を、行政が個別に認めるもの。
能力ではなく、信用を審査されます。
試験ではなく、書類と経歴の審査です。
つまり勉強して受かるものではなく、条件を満たして申請するものです。
この違いが分かると、準備の中身が変わります。
参考書を買う必要はありません。
揃えるのは書類です。
なぜ資格だと思われているのか
資格だと思われる理由は、「古物商」が資格名に見えること、民間講座が「資格」と名乗っていること、「資格」を要件の意味で使うことの3つです。
-
「古物商」という言葉が資格名に見える
宅建士、行政書士、調理師。
士や師で終わる言葉に慣れているので、
「古物商」も同じ並びに見えてしまいます。
実際には、許可を受けた人や会社を指す呼び名です。
-
民間の講座が「資格」という言葉を使っている
古物の知識を教える民間の講座はいくつもあります。
そこで発行される修了証を資格と呼ぶことがありますが、
それを持っていても営業はできません。
営業に要るのは許可だけです。
-
「資格」を要件の意味で使っている
「営業する資格がある」という言い方をします。
この場合の資格は、免許や検定ではなく
「条件を満たしている」という意味です。
ここが混ざっています。

検索するときは「古物商 許可」で調べてください。
資格で調べると、民間講座の広告が上位に並びます。
許可で調べれば、警察署や行政書士の解説にたどり着きます。
情報の質がまるで違います。
実際の仕事は、資格ではなく、実物を前にした判断の積み重ねです。
実際に必要なもの
個人で申請する場合に必要なのは、許可申請書、住民票の写し、身分証明書、略歴書、誓約書の5つの書類です。
試験がない代わりに、書類を揃えます。
| 許可申請書 | 警察署でもらうか、都道府県警のサイトから印刷します |
| 住民票の写し | 本籍地の記載があるもの。 マイナンバーの記載は不要です |
| 身分証明書 | 運転免許証ではありません。 本籍地の市区町村が出す書類です |
| 略歴書 | 直近5年間の経歴。 空白期間を作らないように書きます |
| 誓約書 | 次の章の条件に当てはまらないことを誓約します |
このほか、賃貸の場合は営業所の使用承諾書や見取図を求められることがあります。
ホームページで取引するならURLの疎明資料が要ります。
法人で申請する場合は、登記事項証明書と定款、役員全員ぶんの書類が加わります。
手数料は19,000円。
申請してから許可が下りるまで、標準処理期間は約40日(休日を除く)です。
書類の集め方と、つまずきやすいところは別の記事にまとめました。
許可を受けられない人
破産して復権していない人、拘禁刑以上の刑の執行を終えてから5年たっていない人、住居の定まらない人などは、古物商許可を受けられません。
試験はありませんが、誰でも受けられるわけではなく、受けられない条件が古物営業法第4条で定められています。
主なものです。
| 破産手続開始の決定を受けて、復権を得ていない |
| 拘禁刑以上の刑、または一定の罪で罰金刑に処せられ、5年を経過していない |
| 暴力団員、または暴力団員でなくなった日から5年を経過していない |
| 住居が定まらない |
| 古物営業の許可を取り消されてから5年を経過していない |
| 心身の故障により業務を適正に行うことができない |
| 営業所ごとに管理者を選任すると認められない |
法人の場合は、役員全員がこの条件に当てはまらないことが必要です。
一人でも当てはまると、法人として許可が下りません。
どんなときに必要になるか
古物商許可が必要になるのは、転売する目的で中古品を仕入れる時です。
判断の軸はこの1つです。
| 必要 | 不要 |
・買取店を開く
・中古品を仕入れて売る(せどり・物販)
・中古品を預かって売り、手数料を取る
・レンタル目的で中古品を仕入れる
|
・自分が使っていたものを売る
・無償でもらったものを売る
・新品だけを扱う
・海外から自分で買い付けて売る
|
無許可で営業すると、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です(2025年6月1日施行の刑法改正にともない、懲役は拘禁刑になりました)。
さらに、その後5年間は許可を受けられなくなります。
「バレなければ」で始めると、後から正規に始める道まで塞ぐことになります。
試験はあるのか。難易度はどれくらいか
古物商許可に試験はなく、難しさは書類を揃える手間だけです。
筆記も面接もなく、勉強して合格するものではありません。
合格率という概念自体が存在しません。
審査されるのは書類と、申請者が欠格事由に当たらないかどうかだけです。
つまり、難易度という言葉で表すなら、
難しいのは中身ではなく、書類を揃える手間です。
時間がかかること
本籍地から住民票と身分証明書を取り寄せる。
遠方だと郵送で往復2週間。
法人なら役員全員分です。
迷いやすいこと
営業所の要件、扱う区分の選び方、賃貸の場合の使用承諾書。
ここは警察署に先に聞くのが早いです。
審査そのものの標準処理期間は約40日(休日を除く)です。
申請してから許可証を受け取るまで、この期間は待つしかありません。
だから開業日から逆算して、いちばん先に申請を出します。
自分で取るか、行政書士に頼むか
個人で1営業所なら自分で取れます。
法人で役員が多い、営業所が複数ある、といった場合は行政書士に頼む価値があります。
判断の材料は費用と時間です。
自分で取る
費用は手数料19,000円と、書類の取得代1,000円前後。
警察署に2回ほど足を運びます。
個人で1営業所なら、これで十分です。
行政書士に頼む
報酬は事務所によって差があり、数万円が目安です。
法人で役員が多い場合、営業所が複数ある場合、
賃貸で使用承諾が要る場合は、頼む価値があります。

迷ったら、まず警察署の窓口に行ってください
多くの署では、必要書類の一覧と申請書の様式を無料でもらえます。
その場で、自分の場合に何が要るかも教えてもらえます。
ここで話を聞いたうえで、手に負えないと感じたら頼めば十分です。
最初から頼む前提で動く必要はありません。
法律が唯一求めている「知識」
古物営業法が求めている知識は、営業所ごとに置く管理者が、扱う古物が不正品かどうかを判断するための知識・技術・経験です。
試験はありませんが、管理者の決まりの中に、この「知識」が出てきます。
営業所ごとに管理者を1人置くことになっており、
古物商は管理者に、扱う古物が
不正品であるかどうかを判断するために必要な知識、技術または経験を
得させるよう努めなければならない、と定められています(第13条第3項)。
資格試験がないぶん、責任だけが残ります
この要件を確かめる試験はありません。
誰も検定しません。
しかし偽物や盗品が持ち込まれたとき、責任は管理者に向かいます。
つまり法律は、知識があることを前提にして、確認だけを省いている状態です。
資格が要らないというのは、誰も担保してくれないという意味でもあります。
だから、こう整理すると分かりやすくなります。
- 許可は、営業してよいかどうか。
書類で決まります
- 知識は、実際に買えるかどうか。
誰も測ってくれません
許可を取った翌日から、お客様は品物を持ってこられます。
そのときに値段を言えるかどうかは、許可とは別の話です。
資格がないことを気楽に受け取るか、担保がないと受け取るかで、
準備の仕方が変わります。
「古物商資格」という民間の講座について
民間の「古物商資格」の講座や検定を修了しても、それで営業はできず、許可の審査で有利にもなりません。
民間の団体が開いている講座や検定があり、修了すると証明書が出るものもあります。
知識を学ぶこと自体は無駄ではありません。
ただし、次の2点は分けて理解してください。
できること
古物営業法の知識、品目ごとの相場、本物と偽物の見分け方の基礎などを学べます。
独学より早いこともあります。
できないこと
営業はできません。
修了証があっても、許可がなければ買い取れません。
許可の審査で有利になることもありません。
順番としては、まず許可を取る。
学ぶのはそのあとでも間に合います。
許可までには標準で約40日(休日を除く)かかるので、先に申請しておくほうが時間を無駄にしません。
古物査定の窓口について
許可は自分で取れます。難しいのは、その先です。
許可の申請は、書類さえ揃えば誰でも通ります。
本当に難しいのは、いくらで買えばいいのかと、買ったものをどこで売るのかです。
ここに試験はなく、教えてくれる人もほとんどいません。
独学で始める
相場は自分で調べる。
本物と偽物は失敗しながら覚える。
売り先は自分で探す
研修を受ける
本物と偽物を手に取りながら5日間。
査定の計算、集客、売り先の作り方まで
開業サポートの中身を見る
加盟金もロイヤリティもありません。
5日間の研修と、その中身
よくある質問
- 古物商の資格試験はありますか。
- ありません。
古物商は資格ではなく、公安委員会が出す許可です(申請の窓口は警察署)。
試験、学歴、実務経験のいずれも要件になっていません。
書類を揃えて申請し、審査を受ける形になります。
- 古物商の資格を取るのに費用はいくらかかりますか。
- 古物商は資格ではなく許可で、申請手数料は19,000円です。
このほか住民票や身分証明書などの取得費が1,000円前後(郵送で取り寄せる場合は送料が別)かかります。
行政書士に依頼する場合は別途報酬がかかり、事務所によって差がありますが数万円が目安です。
- 民間の古物商資格を取れば営業できますか。
- できません。
民間の講座や検定の修了証があっても、警察署の許可がなければ中古品の売買を業として行えません。
許可の審査で有利になることもありません。
- 未経験でも古物商の許可は取れますか。
- 取れます。
実務経験は要件ではありません。
ただし破産手続開始の決定を受けて復権していない場合など、法律で定められた条件に当てはまる方は許可を受けられません。
- 副業でも古物商の許可は必要ですか。
- 転売する目的で中古品を仕入れるのであれば、副業でも必要です。
反復・継続して行う場合は業とみなされます。
自分が使っていたものを売るだけであれば要りません。
- 古物商の試験は難しいですか。
- 試験そのものがありません。
筆記も面接もなく、審査されるのは書類と、申請者が欠格事由に当たらないかどうかだけです。
難しいのは中身ではなく書類を揃える手間で、特に本籍地から取り寄せる住民票と身分証明書に時間がかかります。
- 行政書士に頼んだほうがいいですか。
- 個人で1営業所であれば自分で取れます。
費用は手数料19,000円と書類の取得代1,000円前後で、警察署に2回ほど行くだけです。
法人で役員が多い場合、営業所が複数ある場合、賃貸で使用承諾が必要な場合は依頼する価値があり、報酬は事務所によって差があり、数万円が目安です。
- 古物商許可を取るのにどれくらいかかりますか。
- 審査の標準処理期間は約40日(休日を除く)です。
書類を揃える期間を含めると、準備開始から許可証の受け取りまで2ヶ月程度を見ておくと安全です。
開業日から逆算して、いちばん先に申請を出してください。
- 古物営業法が求めている知識とは何ですか。
- 営業所ごとに置く管理者について、扱う古物の不正品の疑いを判断するために必要な知識、技術または経験を有することが求められています。
これを確かめる試験はありませんが、偽物や盗品が持ち込まれた場合の責任は管理者に向かいます。
資格が要らないというのは、誰も担保してくれないという意味でもあります。
- 許可さえ取れば買取を始められますか。
- 法律上は始められます。
ただし許可は営業してよいかどうかを決めるだけで、実際に値段をつけられるかどうかは別の話です。
許可を取った翌日からお客様は品物を持ってこられるため、その場で金額を言える範囲をどこまで持っているかが、そのまま売上になります。
※ 本記事は2026年10月時点の古物営業法および各都道府県警の公表内容にもとづいています。必要書類や運用は管轄の警察署によって異なる場合があります。申請の際は必ず管轄署にご確認ください。許可の基準・管理者・罰則は、e-Gov法令検索の古物営業法(第4条・第13条・第31条、2025年6月1日施行の改正後)によります。申請手数料(19,000円)は警視庁「古物商許可申請」、標準処理期間(40日・行政庁の休日を除く)は警視庁「審査基準(古物商の許可)」によります。標準処理期間は道府県によって異なります。