開業タイプ診断(2分)
開業の手続き

古物台帳の書き方。1万円未満でも、書くものがあります。

許可が下りたあと、必ずついてくるのが台帳です。買ったとき、売ったとき、その都度つけて3年間保存します。つけていないと、営業停止や許可の取消しにつながります。何を書き、どこまで免除されるのかを整理しました。

佐藤さん(開業を検討中)古物台帳って、何をどこまで書けばいいんですか?

先に結論安場さん
  • 古物台帳には、取引の年月日・品目と数量・特徴・相手方の住所氏名職業年齢を書きます。
    買ったときは本人確認の方法も書きます
  • 買ったときの都度つけます。
    売ったときは、美術品類・時計・宝飾品類・自動車・オートバイ・原付(部品を含む)に限り記載が要ります。
    まとめて書くのは認められません
  • 保存は最終記載日から3年。
    営業をやめたあとも残します
  • 1万円未満は原則いらない。
    ただし例外の品目があり、そこが落とし穴です
  • 2025年10月1日から、例外の品目が4つ増えました(電線・エアコン室外機ほか)
  • エクセルなどの電子帳簿でも可。
    ただし営業所ですぐ印刷できる状態が条件です

何のためにつけるのか

古物台帳は、盗品の流れをたどれるようにするためにつけます。
古物営業法が古物商に課している義務は、大きく3つあります。
本人確認、不正品の申告、そして帳簿への記録です。

目的は、盗品の流通を止めることと、盗品が出たときに流れをたどれるようにすることです。
警察から照会が来たときに答えられなければ、義務を果たしていないことになります。

逆に言えば、台帳は自分を守るものでもあります。
買った品物が後から盗品と分かったとき、いつ誰から買ったかを示せれば、 こちらが疑われる立場から外れます。

記載する項目

書くのは、取引の年月日、品目と数量、特徴、相手方の住所・氏名・職業・年齢、本人確認の方法です(本人確認の方法は買ったときだけ)。
買ったときは、1万円未満の例外(次の章)を除き、すべての古物で記載が要ります。
売ったときに記載が要るのは、美術品類、時計・宝飾品類、自動車(部品を含む)、オートバイ・原付(部品を含む。1万円未満の部品は除く)に限られます。
本人確認の方法を書くのは、買ったときです。

買ったとき

  1. 取引の年月日
  2. 古物の品目と数量
  3. 古物の特徴(メーカー・型番・色・製造番号など)
  4. 相手方の住所・氏名・職業・年齢
  5. 本人確認をした方法

売ったとき(美術品類・時計・宝飾品類・自動車・オートバイ・原付)

  1. 取引の年月日
  2. 古物の品目と数量
  3. 古物の特徴
  4. 相手方の住所・氏名・職業・年齢
    ※自動車の売却は記載不要
「特徴」の書き方でつまずきます。
「バッグ」「時計」では足りません。
その1点を特定できる情報が要ります。
ブランド名、型番、色、シリアルナンバー、傷の位置。
あとから警察に聞かれて「どれのことか分からない」となる書き方は、書いていないのと同じです。

1万円未満の免除と、その例外

取引の総額が1万円未満なら、本人確認と台帳への記載は原則として不要です。
ただし、金額に関係なく必ず記載しなければならない品目があります。

オートバイ・原付 およびその部品(ねじ・ボルト・ナット・コードなど汎用の部品を除く)
家庭用ゲームソフト
CD・DVD・ブルーレイ など光学的方法で記録したもの
書籍
電線 2025年10月1日から追加
エアコンの室外機 同上
電気温水機器のヒートポンプ 同上
金属製のグレーチング 同上

前の4つは、盗まれて換金されやすいものです。
後ろの4つは、近年の金属盗難の急増を受けて加わりました。

実務では、1万円未満でも全部つけることをおすすめします。
理由は3つです。
免除される品目かどうかを毎回判断するほうが手間になること。
あとから合計で1万円を超える取引だったと分かる場合があること。
そして自分の仕入れ履歴が残らないと、相場の振り返りができないことです。
台帳は義務であると同時に、商売の記録でもあります。

2025年10月からの追加

2025年10月1日から、電線などの金属製品4品目は、1万円未満でも本人確認と記載が必要になりました。
金属類の盗難が全国で増えたことを受け、古物営業法施行規則が改正されました。
電線、エアコンの室外機、電気温水機器のヒートポンプ、金属製のグレーチングの4品目が、 1万円未満でも記載が必要な対象に加わっています。

金属を扱う予定がある方は、買取の入口で本人確認を徹底する運用に変えてください。
この分野は、疑わしい持ち込みが実際に来ます。
断る基準を先に決めておくことをおすすめします。

買取店の店内。カウンターと什器
店舗の中。
台帳は、この場で1件ずつ記録します。

保存の期間と方法

古物台帳は、最終の記載をした日から3年間、営業所に備え付けて保存します。

保存期間最終の記載をした日から3年間。
取引日からではありません
保存場所営業所ごとに備え付けます。
本店にまとめて置くことはできません
電子帳簿認められます。
ただし営業所で直ちに印刷できる状態であることが条件です
廃業したらやめたあとも3年間は保存します。
すぐ捨てないでください

エクセルやPOSで管理する場合、営業所にプリンターを置く必要があると考えてください。
クラウドに置いてあっても、その場で出せなければ「直ちに印刷できる」を満たしません。

つまずきやすい5つ

つまずきやすいのは、まとめ書き、特徴の書き方、職業の空欄、売却の書き忘れ、本人確認の方法の5つです。

まとめ書き月末にまとめて書くのは認められません。
取引の都度です
特徴が雑「指輪」だけでは特定できません。
素材・刻印・重量まで書きます
職業の欄が空白本人確認のときに必ず聞いてください。
あとから埋められません
売却を書き忘れる時計・宝飾品類や美術品類などは、売ったときも記載が要ります。
買ったときだけ書いて忘れる方が多いところです
本人確認の方法何で確認したか(運転免許証・マイナンバーカードなど)まで書きます

警察の立入りは、実際にあります。
抜き打ちで来て、台帳を見せてくださいと言われます。
そのときにすぐ出せるかどうかが、すべてです。

古物査定の窓口について

台帳は、書き方より運用で差が出ます。

様式はどこでも手に入ります。
難しいのは、忙しい日でも書き漏らさない形にすることです。
接客の流れのどこで本人確認をして、どこで台帳に落とすか。
ここを決めていないと必ず抜けます。

お渡しするもの 買取台帳・顧客台帳・買取伝票・計算書。
法令に沿った様式で、そのまま使えます
お伝えすること 来店から成約までのどこで何を書くか。
断るべき持ち込みの見分け方も含めて

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よくある質問

古物台帳は1万円未満でも書く必要がありますか。
原則として不要です。
ただしオートバイとその部品、家庭用ゲームソフト、CD・DVDなど、書籍は金額に関係なく記載が必要です。
2025年10月1日からは電線、エアコンの室外機、電気温水機器のヒートポンプ、金属製のグレーチングも加わりました。
古物台帳はエクセルでもいいですか。
認められます。
ただし営業所で直ちに印刷できる状態であることが条件です。
クラウドで管理する場合も、その場で出力できる環境を用意してください。
古物台帳の保存期間はどれくらいですか。
最終の記載をした日から3年間です。
取引日からではありません。
廃業したあとも3年間は保存する必要があります。
台帳をつけていないとどうなりますか。
古物営業法の義務違反となり、指示処分、営業停止、許可の取消しの対象になります。
盗品が流通した際に取引の記録を示せないと、こちらが疑われる立場にもなります。
買ったときと売ったときで書く内容は違いますか。
書く項目は、取引年月日、品目と数量、特徴、相手方の住所・氏名・職業・年齢です。
買ったときは、これに本人確認の方法が加わります。
対象の品物も違い、買ったときは原則すべての古物、売ったときは美術品類、時計・宝飾品類、自動車(部品を含む)、オートバイ・原付(部品を含む)に限られます。
自動車を売った場合は、相手方の住所・氏名などの記載は要りません。
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※ 本記事は2026年10月時点の古物営業法および同法施行規則にもとづいています。運用は管轄の警察署によって異なる場合があります。実務の判断は管轄署にご確認ください。
参考:古物営業法(第16条・第18条)、古物営業法施行規則(第16条・第18条)、警視庁「古物営業法施行規則の一部改正について(令和7年10月1日施行)」

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