開業タイプ診断(2分)
他業種からの参入

葬儀社が買取を始める。一番早く相談されるのは、あなたです。

四十九日が済んだころ、ご遺族は必ず片付けの話をされます。そのとき最初に相談されるのは、すでに顔を知っている葬儀社です。ところが多くの場合、片付けは提携先に渡り、その先の買取で出た利益は戻ってきません。その順番を変える話です。

佐藤さん(開業を検討中)葬儀社が、遺族の品物を買い取ることってできますか?

先に結論安場さん
  • 葬儀社はご遺族から最初に相談される立場にあります。
    この位置は他社が買えません
  • 葬儀社が買取を始めるのに必要なのは古物商許可だけです(手数料19,000円・審査約40日・試験なし)
  • 片付けを紹介するだけなら1件2〜5万円、片付けと買取まで自社で持つと粗利10〜30万円が目安です(当社・提携店の実例)
  • ただし葬儀の場で買取の話は切り出しません。
    持ち出す時期が決まっています

葬儀社が持っている位置

葬儀社は、片付けや買取を必要とするご遺族と、どの業者よりも早く、信用のある関係を持っています。

片付けや遺品整理の会社は、広告に多額の費用をかけて問い合わせを集めています。
ところが葬儀社は、そのお客様と、もっと早い段階で会っています。

しかも、ただ会っているのではありません。

片付けの会社が広告費を払って手に入れようとしているものを、 葬儀社は業務の流れの中ですでに持っています。
それを使わずに他社へ渡しているのが現状です。

紹介と、自社で買取の違い

片付け業者を紹介するだけなら1件2〜5万円ですが、片付けと買取まで自社で持つと粗利は10〜30万円が目安です。
よくある形は、提携先の遺品整理業者を紹介して紹介料を受け取るというものです。
1件あたりの金額を並べます。

形1件あたり
片付け業者を紹介する2〜5万円
自社で片付けを請け負う粗利 5〜15万円
片付け+買取まで持つ粗利 10〜30万円

買取が加わると数字が変わる理由は2つあります。

買い取った品の粗利が乗る 貴金属、時計、ブランド品。
1軒から出る量は決して多くありませんが、 1点で数万円から数十万円になるものが混ざります。
これが処分費として捨てられているのが現状です。
請求額が下がって、選ばれる 買い取った分を作業費から差し引けば、 ご遺族への請求は下がります。
他社は20万円、こちらは10万円。
しかもこちらのほうが粗利は大きい、という形が作れます。
ここが一番大事なところです 買取ができると、値引きをせずに請求額を下げられます。
安売りではありません。
捨てていたものを換金して充てているだけです。
価格で他社と比べられたときに、これが効きます。
片付けの現場で品物を仕分けているところ
処分の山に入っている中から、値段がつくものだけを抜きます。

何から始めるか

始める順番は、古物商許可を取る、貴金属から始める、売り先を決める、四十九日の連絡に片付けの案内を足す、の4つです。

  1. 古物商許可を取る 管轄の警察署に申請します。
    手数料19,000円、審査に約40日。
    試験はありません。
    法人で取る場合は役員全員の書類が必要です。
  2. 貴金属だけから始める いきなり全部を扱おうとしないでください。
    金とプラチナは相場が公開されており、刻印と重さで値段が出せます。
    どの現場でも必ず出るうえに、判断の根拠がはっきりしています。
  3. 売り先を決める 買った品をどこで換金するか。
    古物市場か、業者間の取引か。
    ここが決まらないと、いくらで買えばいいかも決まりません。
  4. 四十九日の連絡に、片付けの案内を足す 新しく集客をする必要はありません。
    すでに連絡している相手に、一行足すだけです。

切り出す時期を間違えない

買取の話を出してよいのは、ご遺族のほうから片付けの相談が出たとき(多くは四十九日の前後)だけです。
葬儀の場で買取の話をしてはいけません。

ご遺族にとって、その時期に金銭の話を持ち出されることは 不快以外の何物でもありません。
信用を積み上げてきた立場だからこそ、 一度でも間違えると取り返しがつきません。

持ち出してよいのは、ご遺族のほうから片付けの相談が出たときだけです。
多くの場合、それは四十九日の前後に来ます。
そのときに初めて、こう伝えます。

伝え方の例 片付けをお手伝いすることもできます。
その際、値段がつくものがあれば買い取らせていただき、その分を作業費から差し引きます。
捨てる前に一度、見せていただくだけでも構いません。

買い取りますから始めると、物を狙って来たように聞こえます。
片付けを手伝いますから始めて、その中の一項目として買取を置く。
同じことをしていても、受け取られ方がまったく違います。

そしてもう一つ。
ご遺族が一番気にされるのは金額ではなく、 大切なものを捨ててしまわないかです。
値段がつくかどうかを見て伝えられる人がその場にいる、というだけで、 安心して任せていただけます。

買取業界専門家・安場さんの回答

未経験なら、やりやすいのは催事買取、次に出張買取。
費用に余裕があれば店頭買取を勧める、というのが安場さんの答えです。

新しく買取を始める時、どの形から入るか。
未経験の方への答えを、安場さんに聞きました。

買取業界専門家・安場さんの回答 未経験の人が最初に始めるなら、どの形がいいですか。

やりやすさでいくと、催事買取、次に出張買取です。
ただし出張買取は、お客様のハードルが高く、いろいろトラブルもあります。

店頭は、店があるとお客様に安心感があります。
費用に余裕がある方には、店頭買取を勧めます。

3つの形の初期費用と、続けるための費用の違いは、次の記事で比べています。

買取の3つの形を、お金で比べる 店頭・出張・催事。買取の3つの形を、お金で比べる。
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よくある質問

葬儀社が買取を始めるのに、どんな許可が必要ですか。
古物商許可です。
管轄の警察署に申請し、手数料は19,000円、審査に約40日かかります。
試験はありません。
法人で取得する場合は役員全員分の書類が必要になるため、個人で取る場合より準備に時間がかかります。
葬儀の当日に買取の案内をしてもいいですか。
おすすめしません。
ご遺族にとって、その時期に金銭の話を持ち出されることは強い不快感につながります。
持ち出してよいのは、ご遺族のほうから片付けの相談が出たときだけです。
多くの場合は四十九日の前後になります。
すでに提携している遺品整理業者との関係はどうなりますか。
紹介を続けながら、貴金属など一部だけを自社で扱うという形も可能です。
すべてを自社に切り替える必要はありません。
まず片付けの現場に同行して何が出ているかを把握するところから始めると、関係を壊さずに進められます。
どんな品物が出ますか。
貴金属、時計、切手、古銭、ブランド品が中心です。
特に金やプラチナは、壊れたネックレスや片方だけのイヤリングとして引き出しに残っていることが多く、状態が悪くても重さで値段がつきます。
壊れているから捨てるという判断が、最も多い機会損失です。
従業員に査定を覚えさせることはできますか。
できます。
全商材を扱おうとすると難しいですが、貴金属に絞れば刻印の読み方、比重の確認、重量からの計算という手順で組み立てられます。
判断の根拠がはっきりしている商材から始めるのが、社内に広げる場合の定石です。
買い取った品はどこで換金しますか。
古物市場、または業者間の取引です。
古物市場に参加するには古物商許可のほかに市場ごとの入会手続きが必要です。
営業所の外の市場へ出向いて取引する場合は、許可申請書で「行商をする」を選んでおくのが一般的です。
扱いは管轄の警察署で確認してください。
売り先が決まっていないと買値も計算できないため、許可の取得と並行して決めてください。
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この記事は2026年9月時点の古物営業法および当社の実務をもとに書いています。申請手数料(19,000円)と審査期間(標準処理期間おおむね40日)は各都道府県警察の案内によります。金額は当社および提携店の実例による目安で、地域や案件によって変わります。許可の手続きは管轄の警察署にご確認ください。

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