本物と偽物
シャネルの本物と偽物。カードもシールも、証明ではありません。
ギャランティカードがあるから安心、という判断がいちばん危ないです。カードもシールも作られます。そして本物なのにシールがない個体が、いま普通に出回っています。買い取る側がどこを見るかを、順番に説明します。
安場 達也古物査定の窓口 代表
買取業界歴15年以上。査定の現場から店舗の管理者、そして経営者まで、同じ道を順番に通ってきました。
北海道から沖縄まで、開業と店舗運営の支援実績があります。
大阪府公安委員会 古物商許可 第62229R076686号
公開 2026年8月15日
更新 2026年10月8日
この記事は業者向けです。
買取をする立場の方に向けて書いています。
断りすぎても買いすぎても損が出る商材です。

佐藤さん(開業を検討中)シャネルって、シリアルシールがなければ偽物なんですか?
先に結論安場さん
- シリアルシールやギャランティカードがないだけでは、偽物とは言えません。
2021年ごろ以降のバッグや財布は、シールの代わりにマイクロチップが入り、ギャランティカードも付かなくなりました
- 逆に、カードもシールも模造されます。
あっても本物の証明にはなりません
- カードと本体の番号が一致しない仕様の時期もあります。
不一致=偽物ではありません
- 高額かつ相場が動く品目です。
開業初期は無理に扱わないという判断があります
カードとシール、それぞれ何なのか
ギャランティカードは製品に添えられる管理用のカード、シリアルシールは製造時期を表す番号のシールで、どちらも本物の証明書ではありません。
ギャランティカード
製品に付属する黒いカードです。
購入証明ではなく、製品に添えられる管理用のカードという位置づけです。
カード単体が流通することもあります
シリアルシール
バッグの内側に貼られた番号のシールです。
上から透明のフィルムで保護されています。
製造の時期を表す番号が入っています
どちらも製品の情報を示すもので、
「この個体を正規品と認定した証明書」ではありません。
ここを取り違えると判断を誤ります。
シリアルなしでも本物か。ギャラなしはどうか。
シリアルシールがないこと自体は、異常ではありません。
2021年ごろ以降のバッグや財布はシールの代わりにマイクロチップが入り、1980年代半ばより前の古い個体にもシールはありません。
ギャランティカードがないことも、それだけでは偽物の根拠になりません。
2021年ごろからの変化
シャネルはシリアルシールを廃止し、マイクロチップを埋め込む方式へ移行しました。
つまり新しい年代の個体には、シールが貼られていません。
「シールがないから偽物」という判断は、いまは成立しません。
そしてチップは、一般には読み取れません。
買取の現場では、判断材料が1つ減ったことになります。
よくある誤解
よくある誤解は、カードの有無、番号の一致、ココマークの向き、ステッチの数のどれか1つで本物と決めてしまうことです。
| よく言われること | 実際のところ |
| カードがあれば本物 | カードも作られます。 カード単体で売買されることもあります |
| カードと本体の番号が一致すれば本物 | そもそも一致しない仕様の時期があります。 不一致だけでは判断できません |
| ココマークの向きで分かる | 1つの材料ですが、再現されています。 単独では決め手になりません |
| ステッチの数を数えれば分かる | 同じ型でも製造時期で差があります。 基準として使うには経験が要ります |

チェック項目を全部通ったから本物、という判断が危ないです。
作る側も、同じ記事を読んでいます。
1つでも引っかかったら止めるという使い方に変えてください。
同じ型のシャネルを2つ並べる。
キルティングの目、金具、革の落ち方を順に見ます
キルティングの目、金具、革の落ち方。
順に見る場所が決まっています。
現場で見る順番
現場では、年代と仕様の整合、革とキルティング、金具とチェーン、付属品の順に見て、判断がつかなければ買いません。
- 年代と仕様が噛み合っているか
シールの有無、金具の仕様、型。
その年代にありえない組み合わせになっていないかを見ます
- 革とキルティングを見る
ラムスキンやキャビアスキンの質感、ステッチの立ち方。
手触りの情報量が多い部分です
- 金具とチェーンを持つ
重さ、メッキの質、チェーンの編み。
持った瞬間の重量感は作りにくい部分です
- 付属品と本体の整合を見る
カード、保存袋、箱。
揃っているかより、揃い方が自然かを見ます
- 判断がつかなければ、買わない
シャネルは1点の金額が大きく、失敗の傷も大きくなります。
無理に結論を出さないでください
扱うかどうかの判断
シャネルは、開業して間もない段階で扱うには重い品目です。
理由は次の3つです。
| 理由 | 中身 |
| 単価が高い | 1点で数十万円。 判断を1回外すと、その月の利益が消えます |
| 模造の水準が高い | 外装での判別が難しく、比較の材料が要ります |
| 相場が動く | 正しく見抜いても、在庫を持つ期間が長ければ損失が出ます |
まずは貴金属など判断のつきやすい品で回転を作る。
扱う範囲は、比較の材料が貯まってから広げる。
この順番のほうが、結果的に早く伸びます。
すでに買取をされている方へ
本物と偽物の見分け方だけを1日でお伝えする研修もあります。1品目1日150,000円(税抜)、
2人目以降は半額。定員8名、出張も承ります。
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古物査定の窓口について
扱わないと決めるのも、判断のうちです。
全部の品目を扱えるようになる必要はありません。
自信を持って買える範囲を決めて、その中で回す。
範囲は続けるほど広がります。
独学で始める場合
どこまでが自分の範囲かを、失敗しながら決めることになります
研修を受ける場合
本物と偽物を並べて手に取りながら5日間。
範囲の決め方からお伝えします
開業サポートの中身を見る
加盟金もロイヤリティもありません。
5日間の研修と、その中身
よくある質問
- ギャランティカードがあれば本物ですか。
- いいえ。
カードも模造されますし、カード単体で流通することもあります。
カードは製品に添えられる管理用のカードであって、その個体を正規品と認定した証明書ではありません。
- シリアルシールがないシャネルは偽物ですか。
- 違います。
2021年ごろにシリアルシールは廃止され、マイクロチップを埋め込む方式へ移行しました。
新しい年代の個体にはシールがないのが正常です。
- カードと本体の番号は一致しますか。
- 一致しない仕様の時期があります。
したがって、不一致であることだけを根拠に偽物と判断することはできません。
年代ごとの仕様を踏まえて見る必要があります。
- マイクロチップは読み取れますか。
- 一般に開かれた読み取り手段はありません。
買取の現場ではチップを判断材料にできないため、革・金具・年代との整合を見る比重が上がっています。
- 開業したての頃、シャネルは扱わないほうがいいですか。
- 無理に扱う必要はありません。
単価が高く、模造の水準も高く、相場も動きます。
まず判断のつきやすい品目で回転を作り、比較の材料が貯まってから範囲を広げるほうが安全です。
この記事は2026年8月時点の一般的な実務をもとに書いています。
仕様や表記はブランド側の変更により変わります。特定の判別方法を保証するものではありません。
高額品の判断は、正規店や専門の鑑定機関での確認をおすすめします。