開業タイプ診断(2分)
本物と偽物

ダイヤモンドの本物と偽物。テスターが答えてくれない部分。

ダイヤテスターは数千円で買えます。ただしあの道具が答えているのはダイヤかどうかの一部分だけです。買取の現場でいちばん怖いのは、テスターが本物と表示してしまうもの。そして本物であっても、値がつくとは限りません。

この記事は業者向けです。
買取をする立場の方に向けて書いています。
石の等級で桁が変わるため、独学で最も外しやすい商材です。

佐藤さん(開業を検討中)ダイヤの本物と偽物って、テスターだけで分かるんですか?

先に結論安場さん
  • ダイヤテスターで分かるのは、ガラスやキュービックジルコニアなどの模造品までです。
    モアッサナイトと合成ダイヤは見分けられません
  • テスターが見ているのは熱の伝わり方です。
    成分を調べているわけではありません
  • モアッサナイトは本物と表示されます。
    専用のテスターを併用してください
  • いま最大のリスクは合成ダイヤ。
    見た目でも通常のテスターでも判別できません
  • 大粒で鑑定書のない石は、買わないという判断が正解のことがあります

テスターは何を見ているのか

一般的なダイヤテスターは、石にどれだけ速く熱が伝わるかを測っています。
ダイヤモンドは熱の伝わり方が非常に速く、そこを判定に使っています。

つまり、答えているのは「熱の伝わり方がダイヤと同じか」であって、 「天然のダイヤかどうか」ではありません。
ここが出発点です。

テスターで分かること
  • ガラス、キュービックジルコニアなどの模造品
  • 小粒(メレ)の一次判定
  • まとめて確認するときの効率
テスターで分からないこと
  • モアッサナイト(本物と表示されます)
  • 合成ダイヤ(成分は天然と同じです)
  • 処理石、カラーやクラリティの等級

モアッサナイトという落とし穴

モアッサナイトは熱の伝わり方がダイヤに近い炭化ケイ素の人工石で、通常のテスターでは本物と表示されます。
見た目も、慣れないうちは区別がつきません。

対策は決まっています。
モアッサナイト判定機能のあるテスターを使うことです。
電気の通りやすさで区別する仕組みで、2種類が一体になった機種も出ています。
値段の差は小さいので、最初から兼用のものを買ってください。

安いダイヤテスターを1つだけ買うのが、いちばん危ない選び方です。
本物と表示されたことを根拠に買ってしまうためです。
道具は、何が分からないかを知って使うものです。

合成ダイヤが、いちばん怖い

合成ダイヤ(ラボグロウンダイヤモンド)は成分も結晶構造も天然と同じで、テスターでも目でも区別できないため、いちばん怖い相手です。

ラボグロウンダイヤモンド

人工的に作られたダイヤで、成分も結晶構造も天然と同じです。
だから熱も電気も同じように通り、テスターでは絶対に区別できません。

価格は天然の数分の1から、それ以下です。
天然として仕入れて合成だと分かれば、差額がそのまま損失になります。

判別には専用の検査機か、鑑別機関への依頼が必要です。
現場で目視だけで見抜こうとしないでください。

合成ダイヤは年々流通量が増えています。
指輪として市場に出回っているものも珍しくありません。
この10年で最も大きく変わった部分だと考えています。

鑑定書の見方

鑑定書は、発行機関、石と書類の一致、天然か合成かの記載、発行年の4つを見ます。
大粒の石には鑑定書(グレーディングレポート)が付いていることがありますが、発行元によって重みが違います。

見るところ確かめること
発行機関国際的に通用する機関か。
聞いたことのない発行元は、内容を鵜呑みにしません
石と書類の一致カラット、寸法、蛍光性。
別の石の鑑定書が付いていることがあります
天然か合成かの記載合成の場合は明記されます。
記載欄そのものを確認してください
発行年古い鑑定書は、いまの基準と評価が違うことがあります
査定に使う道具一式
研修で使う道具。
精密天秤、ルーペ、試金石、ピンセット。
どれも現場で毎日使うものです

現場での線引き

メレダイヤ付きの指輪は地金の価値で計算し、大粒で鑑定書のない石は鑑別に出すか買わない、というのが現場の線引きです。
開業したての段階では、石そのもので勝負しないほうが安全です。

品物現場での扱い
メレダイヤ(小粒)付きの指輪地金の価値で計算します。
石は基本的に加点しません
0.3ct以上・鑑定書あり書類と石を照合したうえで、相場から計算します
大粒・鑑定書なしいちばん危ない組み合わせです。
預かって鑑別に出すか、買わない

断るのは損に見えますが、合成ダイヤを天然の値段で買う損失のほうが、はるかに大きいです。
判断がつかないときは買わない。
これは、続けるための基本です。

すでに買取をされている方へ 本物と偽物の見分け方だけを1日でお伝えする研修もあります。1品目1日150,000円(税抜)、 2人目以降は半額。定員8名、出張も承ります。
詳しく見る →
古物査定の窓口について

道具は買えます。使いどころは、教わったほうが早いです。

テスターもルーペも、通販で手に入ります。
難しいのは、何が分からない道具なのかを知ったうえで、買う・買わないを決めることです。

独学で始める場合 道具の限界は、間違えて初めて分かります。
合成ダイヤ1点で数十万円が飛びます
研修を受ける場合 本物・模造品・合成を並べて手に取りながら5日間。
買わない基準の作り方まで

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5日間の研修と、その中身

よくある質問

ダイヤテスターがあれば本物かどうかは判断できますか。
できません。
テスターが見ているのは熱の伝わり方で、ガラスやキュービックジルコニアは落とせますが、モアッサナイトは本物と表示され、合成ダイヤは天然と同じ結果になります。
テスターは一次判定の道具です。
モアッサナイトはどう見分けますか。
モアッサナイト判定機能のあるテスターを使います。
電気の通りやすさの違いで区別する仕組みです。
ダイヤ判定と一体になった機種があるので、最初から兼用のものを選んでください。
合成ダイヤは目で見て分かりますか。
分かりません。
成分も結晶構造も天然と同じなので、外観でも通常のテスターでも判別できません。
判別には専用の検査機か、鑑別機関への依頼が必要です。
鑑定書があれば安心して買えますか。
発行機関を確認してください。
また、鑑定書に書かれたカラット・寸法・蛍光性が、目の前の石と一致しているかを必ず照合します。
別の石の鑑定書が付いていることがあります。
石の価値はどう計算しますか。
小粒(メレ)は地金の価値で計算し、石は基本的に加点しません。
0.3ct以上で鑑定書があるものは、グレードごとの相場から計算します。
大粒で鑑定書がないものは、鑑別に出すか、買わない判断をおすすめします。
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この記事は2026年8月時点の一般的な実務をもとに書いています。 測定機器の性能や合成石の流通状況は変わるため、特定の判別方法を保証するものではありません。 高額な石の判断は、鑑別機関での検査をおすすめします。

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